“管理者”型の性格
私の観察によると、1 人がある任務を全うできると分かった場合、きまって、2 人の雇用者ではそれ以下の働きぶりを見せ、雇用者が 3 人以上いる場合は、ほぼ全く役に立たない。
GEORGE WASHINGTON
管理者型の人達は、最も数が多いと言われていて、全人口の約 13%を占めています。誠実さと実用的な論理の持ち主で、義務にはひたむきに取り組み、数多くの家庭や、法律事務所や規制機関、軍隊など、伝統や規則、規範を重んじる組織において、かけがえのない存在になっています。自分の行動には喜んで責任を取り、仕事に誇りを持っていて、目標に向けて作業する際は、時間とエネルギーを惜しみなく費やし、各関連業務を根気強く正確に完了させます。
物事を仮定して考えることはそれほどなく、代わりに状況を分析して事実を確認し、実践的な一連の行動を見い出すことを好みます。生真面目な性格で、意思決定すると、目標を達成する上で必要な事実を周囲に伝え、他人が瞬時に状況を飲み込み、行動することを期待します。優柔不断な人には我慢できませんが、自分が選んだ方針が空理空論で対抗されると、さらにすぐに苛立ちます。特にその異論が重要な詳細を無視している場合はなおさらで、だらだらした無駄な議論に持ち込まれると、締め切りが近づくにつれ、怒りを露わにします。
自分の評判を重んじるのなら、質の高い人間と交際すべし
言ったことはやり通し、自分にどれ程負担がかかろうとも義務を果たし、軽々しくものを言って約束を守らない人には困惑します。また、怠惰で不誠実な人は、最も早く管理者型を敵に回します。その結果、管理者型の人達は、一人で作業するか、少なくても階級によって自分の権限が明確に確立され、議論することも、他人の信頼性について気に病むこともなく、目標を設定して達成できる環境を好むことが多いです。
頭の回転が速く、事実に基づき物事を考え、人や物に頼るよりも、自立した環境の中で、自主的に物事を進めることを好みます。人に頼ることは弱さの表れだと考えることが多く、義務に対する情熱を持ち、誠実で非の打ちどころのない人格者である管理者型の人達が、そうした落とし穴に陥ることはありません。
管理者型の人達の核には、こうした実直な性格があり、これは自身の精神を超越します。どんな代償を払ってでも、確立された規則やガイドラインに従い、例え悲惨な結果になる可能性があっても、自分の過ちは報告し、真実を告げます。管理者型の人達にとって、正直さは感情への配慮よりもはるかに大切なもので、こうした率直な態度により、他人から冷たい人だと見られたり、ロボットのような人だとさえ思われたりするなど、誤った印象を持たれます。感情や愛情を表に出すのに四苦八苦することもありますが、感情がない、またはさらに悪いことに、人格がないと言われると、深く傷つきます。
悪い仲間といるよりも、一人でいる方が良い
管理者型の人達は、素晴らしい献身的な心の持ち主で、これにより、多くの物事を達成できますが、その反面、この性格が災いして、心無い他人から利用されることもあります。安定と安全を求め、円滑な遂行を維持することを自らの義務としているがために、同僚や身近な人から、いつでも代わりを引き受けてくれると思われ、責任を擦りつけられる可能性があります。自分の意見を内に秘めたまま、こうした事実が表面化するのを待ちますが、証拠が明るみに出て、全貌が明らかになるまでには相当な時間がかかることもあります。
自分自身を大切にすることを忘れないようにしましょう。安定と効率をひたむきに追い求める性格により、長い間、この目標がないがしろにされることもあります。なぜなら、この性格のために、ますます他人から頼られて感情的な緊張が生まれ、それが長年潜在し、ついに表面化した時には、修復には手遅れになっている場合もあるからです。同僚や配偶者から、その気質が心から評価されて引き立てられ、持ち前の聡明で明晰な思考や、頼りがいのある性格が喜ばれている時、自分が手綱を締めることで、物事がうまく機能していることを知り、途方もない満足感を得られます。